戦争が終わって私たちの暮らしは大きく変わりました。住宅では障子のかわりにカーテンやガラス戸を使うようになり、傘は紙でできた和傘からナイロンでできた洋傘を使い、また、印刷機は洋紙を使うコピー機器にかわっていきました。
このように、私たちの暮らしは和紙をあまり使わない生活になりました。すると、和紙を作る人たちもどんどん他の職業にかわっていき、わずかの人だけが残ったということです。
しかし、最近になって和紙の丈夫さ美しさが日本だけでなく外国からも見直されるようになりました。和紙は1000年以上前に作られたものでも、そのまま現在まで残っています。
色がかわりにくく、長持ちするということで、和紙を使わなければできない仕事はまだまだたくさん日本に残っています。
日本の文化は和紙を使って記録され、そして後世の人たちに伝えられてきました。美濃紙は今もいろいろなところで必要とされ、役立っているのです。
手すきの和紙は全て手作業で作られます。最近になって少し機械の力を借りるようになりましたが、基本的には昔から伝わる方法で作ります。
原料は、一般に「楮:こうぞ」が多く使われますが、作る紙の用途によって、「三椏:みつまた」を使ったり「雁皮:がんぴ」を使ったりします。
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