ひんここ写真1ひんここ写真2

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種別無形民俗文化財
名称オヤダノヒンココ
時代・員数
指定年月日平成11年12月3日

ひんここ写真3

ひんここ写真4

大矢田神社の祭礼当日、お旅所のある小山の山腹で演じられる人形劇である。地上10メートル程の山腹に幕を張り、その上に人形を出して使う棒あやつりの一種で、人形の大きさは150センチメートル程である。「ひんここ」というのは、お囃子より出た呼び名で、笛、太鼓、摺鉦(すりがね)で単純な節を繰り返す中を須佐之男命の大蛇退治が演じられる。人形は籠に紙を貼って目、耳、鼻、口を書き入れて顔とし、着物は案山子の様な素朴なものである。これを棒で支え、大きく振り動かして使う。頭に冠をつけた禰宜どのの指示で種を蒔く人、耕す人、弁当持ち等十数人の人形が動いている所へ大蛇が現れて一人づつ農民を喰っていく。最後に残った禰宜どのが神に変身して大蛇を退治するところで劇は終わり、お旅所の神輿は大急ぎで本殿に還御になる。

おろち退治の劇と並行して一段高い所で稲田姫と蝮の戦を演ずる人形劇がある。これは糸操りとなっている。上、下段の劇はそれぞれ無関係に進行する。

祭り当本の家では前夜から行事があり、夜明け前に人形行列は松明を灯し、囃子をしながら祭場に向かう。それから大蛇退治のある午後まで禰宜人形が一人で踊り続ける。

数百年も昔の形式が今日まで保存されているのは珍しく、素朴な人形劇の史料となる貴重な祭礼行事である。

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