事業所得

事業所得には営業等所得と農業所得があり、その事業から生じる所得(山林又は譲渡所得に該当するものを除く)のことをいいます。具体的な例は下表のとおりです。

営業等所得卸売業、小売業、飲食業、製造業、建設業、運輸業、サービス業などのいわゆる営業 医師、弁護士、外交員、大工などの自由業 漁業などの事業
農業所得農産物の生産、果樹などの栽培、酪農品の生産など

計算方法:収入金額 - 必要経費 = 事業所得金額

不動産所得

不動産所得とは、建物や土地などの不動産、借地権(不動産の上にある権利)などの貸付から生じる所得をいいます。(これらの貸付を業としている場合でも、事業所得とはなりません。)


計算方法:収入金額 - 必要経費 = 不動産所得金額

利子所得

利子所得とは、公社債(国債や地方債など)及び預貯金の利子や、合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。


計算方法:収入金額 = 利子所得金額

配当所得

配当所得とは、株主や出資者が法人から受け取る剰余金の配当や、投資信託(利子所得に該当する公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く)及び特定受益証券発行信託の収益の分配などの所得をいいます。


計算方法:収入金額 - 株式等の元本の取得に要した負債の利子 = 配当所得金額

給与所得

給与所得とは、俸給、給料、賃金及び賞与などこれらの性質をもつ給与に係る所得のことをいいます。
給与所得の求め方は以下のとおりです。


計算方法:収入金額 - 給与所得控除額(給与収入における必要経費部分) = 給与所得金額


給与収入金額ごとの給与所得額は以下のとおりです。

令和3年度課税以降適用

給与収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得額 (給与所得控除後の金額)
550,999円まで0円
551,000円から1,618,999円収入金額-550,000円
1,619,000円から1,619,999円1,069,000円
1,620,000円から1,621,999円1,070,000円
1,622,000円から1,623,999円1,072,000円
1,624,000円から1,627,999円1,074,000円
1,628,000円から1,799,999円(収入金額÷4(千円未満切捨))×2.4+100,000円
1,800,000円から3,599,999円(収入金額÷4(千円未満切捨))×2.8-80,000円
3,600,000円から6,599,999円(収入金額÷4(千円未満切捨))×3.2-440,000円
6,600,000円から8,499,999円収入金額×0.9-1,100,000円
8,500,000円以上収入金額-1,950,000円

令和2年度課税以前適用

給与収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得額 (給与所得控除後の金額)
650,999円まで0円
651,000円から1,618,999円収入金額-650,000円
1,619,000円から1,619,999円969,000円
1,620,000円から1,621,999円970,000円
1,622,000円から1,623,999円972,000円
1,624,000円から1,627,999円974,000円
1,628,000円から1,799,999円(収入金額÷4(千円未満切捨))×2.4円
1,800,000円から3,599,999円(収入金額÷4(千円未満切捨))×2.8-180,000円
3,600,000円から6,599,999円(収入金額÷4(千円未満切捨))×3.2-540,000円
6,600,000円から9,999,999円収入金額×0.9-1,200,000円
10,000,000円から14,999,999円収入金額×0.95-1,700,000円
15,000,000円以上収入金額-2,450,000円

雑所得

雑所得とは、公的年金等、生命保険の年金(年金保険)印税、還付加算金、役務の提供による契約金、副業に係る所得(原稿料、講演料等)など他の所得(事業所得や給与所得、一時所得など)のどれにも該当しないものをいい、以下の3つに分類されます。

  • 業務に係るもの
    ※業務に係るものとは、副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なものをいいます。
    総収入金額 - 必要経費 = 所得額
  • その他のもの
    総収入金額 - 必要経費 = 所得額
  • 公的年金等
    公的年金等収入金額 - 公的年金等控除額 = 所得額
    ※公的年金等の雑所得の算出については下表のとおりになっています。また前年の12月31日での年齢で計算方法が異なります。

令和3年度課税以降適用

65歳未満の方

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額によって下記のようになります。
公的年金等の収入金額 1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
400,000円以下 0円 0円 0円
500,000円以下 0円 0円 収入金額-400,000円
600,000円以下 0円 収入金額-500,000円 収入金額-400,000円
600,001円から1,299,999円 収入金額-600,000円 収入金額-500,000円 収入金額-400,000円
1,300,000円から4,099,999円 収入金額×0.75-275,000円 収入金額×0.75-175,000円 収入金額×0.75-75,000円
4,100,000から7,699,999円 収入金額×0.85-685,000円 収入金額×0.85-585,000円 収入金額×0.85-485,000円
7,700,00円から9,999,999円 収入金額×0.95-1,455,000円 収入金額×0.95-1,355,000円 収入金額×0.95-1,255,000円
10,000,000円以上 収入金額-1,955,000円 収入金額-1,855,000円 収入金額-1,755,000円

65歳以上の方

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額によって下記のようになります。
公的年金等の収入金額 1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
900,000円以下 0円 0円 0円
1,000,000円以下 0円 0円 収入金額-900,000円
1,100,000円以下 0円 収入金額-1,000,000円 収入金額-900,000円
1,100,001円から3,299,999円 収入金額-1,100,000円 収入金額-1,000,000円 収入金額-900,000円
3,300,000円から4,099,999円 収入金額×0.75-275,000円 収入金額×0.75-175,000円 収入金額×0.75-75,000円
4,100,000から7,699,999円 収入金額×0.85-685,000円 収入金額×0.85-585,000円 収入金額×0.85-485,000円
7,700,00円から9,999,999円 収入金額×0.95-1,455,000円 収入金額×0.95-1,355,000円 収入金額×0.95-1,255,000円
10,000,000円以上 収入金額-1,955,000円 収入金額-1,855,000円 収入金額-1,755,000円

令和2年度課税以前適用

65歳未満の方

公的年金等の収入金額公的年金等の雑所得金額
700,000円まで0円
700,001円から1,299,999円収入金額-700,000円
1,300,000円から4,099,999円収入金額×0.75-375,000円
4,100,000円から7,699,999円収入金額×0.85-785,000円
7,700,000円以上収入金額×0.95-1,555,000円

65歳以上の方

収入金額公的年金等の雑所得金額
1,200,000円まで0円
1,200,001から3,299,999円収入金額-1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円収入金額×0.75-375,000円
4,100,000円から7,699,999円収入金額×0.85-785,000円
7,700,000円以上収入金額×0.95-1,555,000円

譲渡所得

譲渡所得とは、土地や建物などの不動産や、株式や機械やゴルフ会員権、貴金属、自動車、借地権などの資産を譲渡したことによる所得をいいます。なお、生活用動産(通勤用の自動車など)の譲渡による所得などは課税の対象とはなりません。

  • 所有期間が5年以内の場合:短期譲渡所得
  • 所有期間が5年を超える場合:長期譲渡所得

計算方法:収入金額 - 資産の取得価格などの経費 - 特別控除額 = 譲渡所得の金額

一時所得

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時的な所得のことで、具体的には生命・損害保険の満期保険金や一時金、法人から贈与を受けた金品、懸賞当選金、競馬等の払戻金などがあります。


計算方法: 収入金額 - 必要経費 - 特別控除 = 一時所得金額

  • 総所得金額を計算する際に、一時所得金額についてはその2分の1を所得として算入します。
  • 一時所得の特別控除額は50万円もしくは特別控除前の金額が上限です
  • 一時所得が赤字となった場合は他の所得とは損益通算(差引き)を行うことができないので、一時所得は0円となります。

山林所得

山林所得とは、5年以上保有した山林の伐採又は譲渡したときの所得のことをいいます。
土地付で立木を譲渡した場合には、その立木の譲渡による所得は山林所得になりますが、土地の譲渡による所得は譲渡所得になります。


計算方法:収入金額 - 必要経費 - 特別控除額 = 山林所得金額
※山林所得の特別控除額は50万円もしくは特別控除前の金額が上限です。

退職所得

退職所得とは、退職金や一時恩給など退職によって一時的に受け取る給与やそれらの性質を有するものをいいます。

一般退職手当等

計算方法:(収入金額 - 退職所得控除額※) × 0.5 = 退職所得金額

特定役員退職手当等

計算方法: 収入金額 - 退職所得控除額※ = 退職所得金額

短期退職手当等(令和4年分以後適用)

計算方法:
「収入金額 - 退職所得控除額※」が300万円以下の場合
(収入金額 - 退職所得控除額※) × 0.5 = 退職所得金額

「収入金額 - 退職所得控除額※」が300万円を超える場合
150万円 + [ 収入金額 - (300万円 + 退職所得控除額※)] = 退職所得金額

 

※退職所得控除額の計算方法

  • 勤続年数が20年以下の場合:40万円×勤続年数(80万円未満のときは80万円)
  • 勤続年数が20年を超える場合:70万円×勤続年数-600万円)

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