「美濃市文化財保存活用地域計画」が、令和3年7月16日に開催された国の文化審議会の答申を経て、同日に文化庁長官の認定を受けました。岐阜県内においては、岐阜市に次いで2番目の認定となります。

文化財保存活用地域計画とは

文化財保護法の改正(平成31年4月1日施行)により、市町村における文化財の保存と活用に関する総合的な計画として位置づけられる計画です。市町村は、各都道府県が定める文化財保存活用大綱を勘案するとともに、「歴史的風致維持向上計画」を策定している場合は、その内容と調和を図って計画を作成し、文化庁長官に認定を申請することができます。
 美濃市文化財保存活用地域計画は、岐阜県文化財保存活用大綱(令和3年3月策定)を勘案するとともに、美濃市歴史的風致維持向上計画(第2期)(令和3年3月策定)と調和を図り作成しました。

美濃市文化財保存活用地域計画の概要

 「美濃市文化財保存活用地域計画」では、文化財の調査研究及び保存・活用に関する課題を整理して方針を設定し、今後10年のうちに実施する措置をまとめました。
 今後、地域の文化財とそれを取り巻く環境、景観や人々の活動などを総体としてとらえて保存し、新たな価値を付け加え観光資源として活用することにより、地域の活性化を図ります。
 また、計画では美濃市の歴史や文化を示す地域の資産を一つのまとまりのある関連文化財群(ストーリー)として4つのストーリーを設定しました。今後10年間で実施する措置のうち、各ストーリーの中核となる文化財について特に取り組む事業を「重点事業」と位置づけて取り組んでいきます。

関連文化財群1:美濃和紙の生産 -世界が認める紙と技術‐

自然豊かな山々に囲まれ良質な水や環境とともに、河川による水運が「牧谷」に和紙生産を根付かせました。
尾張藩主より「書院紙」と命名され、徳川御三家の大藩においても代表的に用いられる紙となり、西の内紙に生産技術を輸出するなど全国の手漉和紙生産地に影響を与えました。

関連文化財群2:和紙産業による発展 ‐和紙の代名詞「美濃」の紙(カミ)‐

集散地を起点に全国各地に美濃和紙が行き渡り、商人などが行き来して各地の文化が流入することで独自の文化が形成されました。
尾張藩領以降は和紙を中心に取り扱う「商家町」として発展し、「和紙」と言えば「美濃和紙」とされるほど、和紙の代名詞となりました。

関連文化財群3:陸と川の恵み ‐交易、生業、自然と畏敬‐

美濃和紙の生産地、集散地と全国各地の消費地をつないだのは、陸路と河川による水運で、物、人そして文化が行き来する交易路でした。
自然は人々に生活に潤いを与える一方、災害として牙を剥くこともありました。人々は恩恵への感謝と災害の鎮静を願い、神仏を介して祈りを捧げてきました。

関連文化財群4:山岳信仰と神話伝承 ‐山に宿る神(カミ)‐

高く聳える山々には神が宿るとされ、中世以降この地には「高賀山信仰」と「白山信仰」という2つの山岳信仰が隆盛し、人々は非日常空間である山に対し畏敬の念をもって接しました。
山から受ける恩恵を感じつつ、山に宿る神(カミ)に対する信仰が地域に根付いてきました。

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