本美濃紙を漉く様子
国指定 | 無形文化財 |
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種別 | 工芸 |
名称 | ホンミノシ |
時代・員数 | |
指定年月日 | 昭和44年4月15日 |
美濃紙の歴史は古いが、牧谷(現下牧・上牧地区)において製紙が特に盛んになったのは中世以降のことである。江戸時代になると半紙、障子紙、小菊紙が漉かれたが、中でも代表的なものは障子紙であった。明治以降、紙の需要が急増するのにともない製紙改良が企てられ、用具や製法に多くの変革がみられた。
戦後は国民生活が急変して和紙の需要が激減し、さらに機械漉の紙にも押されて手漉和紙は極度の不振におちいった。
しかし現在も明治以前からの用具と用法で漉かれた紙は、その質のよさと味わいの深さで多くの人に愛好されている。この伝統的方法で漉かれた紙を本美濃紙といい、その生産者の団体、本美濃紙保存会が無形文化財として国の指定を受け、伝統技術の保存伝承に努力している。
本美濃紙の条件は「純楮(こうぞ)を使用」、「薬品漂白をしない」、「ねべしを使う」、「天日乾燥」、「竹簀による伝統的抄紙法」等となっている。
美濃紙が持つ柔らかさ、強さ、味わいを兼ね備えた点、手作りの持つ素朴さと誠実さ、そうした優秀な紙を作り出す技術を後世に永く伝えたいものである。