世界農業遺産は、2002年(平成14年)に食糧の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」(通称FAO、本部:イタリアローマ)によって創設されたプロジェクトです。
その背景には、近代農業にみられる過度な生産性偏重が、世界各地で環境問題や生物多様性、その地域の固有の文化や景観などが失われてきたことにあります。
世界農業遺産の目的は、地域環境を活かした伝統的農法や生物多様性、農村文化、農村景観が守られた土地利用などを「農業のシステム」として一体的に維持し、次世代に継承していくことを目指しています。

世界農業遺産の認定を受けました!

FAO本部があるイタリアローマにて、平成27年12月15日(日本時間15日夜)、岐阜県をはじめ長良川上中流域の自治体や関係団体で組織する清流長良川の農林水産業推進協議会が申請をしていた「清流長良川の鮎~里川における人と鮎のつながり~」が、世界農業遺産に認定されました。

美濃市の中央を流れる清流長良川
長良川で行われる夜網漁

美濃市の中央を流れる「清流長良川」と、長良川で行われる本市の伝統漁法「夜網漁」

清流長良川の鮎~里川における人と鮎のつながり~とは?

岐阜県南部を流れる長良川は、流域の人々のくらしの中で清流が保たれ、その清流で鮎が育ち、清流と鮎は地域の経済や歴史文化と深く結びついています。長良川におけるその循環は、人の生活、水環境、漁業資源が相互に関連している世界に誇るべき里川(※)のシステムであり、いわば「長良川システム」と呼べるものです。
「長良川システム」は、次の3つの用語が循環システムとして機能していることが大きな特徴です。

  1. くらしや経済活動の中で、水を守る・水源林を育てる取り組みが行われ都市を流れる河川でありながら、高い水準で、水質、生物多様性が維持されていること
  2. 水環境の保全と伝統漁法の継承・資源確保の取り組みにより、鮎等回遊魚を対象とした内水面漁業が盛んで、かつ農林水産業の生産力が維持されていること
  3. 清流と地域の農林水産物によって発展してきた歴史文化・産業があること

※里川とは

里川は、手つかずの自然の中で環境が保たれている自然河川ではなく、森林管理や水防施設、清掃管理など人が適正に関与することにより生活領域の中を流れつつ、生活水源・漁場・農業用水等の経済的価値、及びレジャー・景観・歴史・文化等の精神的な価値を有し、かつ、生物多様性を保持している。いわば里山に発し里地を流れる川であり、長良川はまさに「里川」です。

世界農業遺産「清流長良川の鮎」推進に関する取組み

岐阜県・美濃市では、世界農業遺産「清流長良川の鮎」推進に関する取組み(認定後の取組み)を行なっていきます。

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