旧古田行三邸は、一般公開されている本美濃紙保存会初代会長の工房で、美濃の多くの和紙工房と同様に、日当たりのよい南向きに建ち、家の前には天日乾燥ができる広い庭があります。

 2階建てのこの建物は明治5年に建造され、当時の調度品の一部も残されています。玄関は土間づくりで、右側の作業場へと直接つながっており、紙漉きのための道具が展示してあります。作業場には、大きな窓から陽が差し込み、紙漉きの工程で紙の厚みを判断するために必要な日光が十分に確保できます。 
 玄関の左側には客間、その奥は「でい」(客間と作業場)、居間と寝室はさらにその奥に位置しています。
 上の階へ上がると、養蚕の作業場と楮を保管する部屋があります。4月から9月は農業を行い、10月から3月は紙を漉き、5月から8月は養蚕というのが当時の生産農家の年間作業でした。、

 古田行三氏は、1936年に高校を卒業してから家業である和紙作りを始め、1968年に本美濃紙保存会の初代会長に就任しました。

 旧古田行三邸の案内ボランティアは、元紙漉きに携わっていた地元の方々です。3月から11月にかけて、土・日・祝日の午前10時から午後4時まで無料開放しています。
 

 

旧古田行三邸 写真 (JPG 87.1KB)

旧古田行三邸内部 (JPG 102KB)

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